2019年世界柔道選手権東京大会が8月25日から9月1日の8日間、東京都九段下の日本武道館で開催されます。

o78reacextra-1567260960-1567260961
67336138_10157266496583536_3557659546014973952_n
Photo by IJF

日程、タイムスケジュール
予選ラウンド:準々決勝まで
決勝ラウンド:敗者復活戦、準決勝、3位決定戦、決勝
通常のワールドツアーとは異なるようです。(通常は予選ラウンドで準決勝、敗者復活戦まで行い、決勝ラウンドは3位決定戦と決勝のみです)

8月25日 男子60キロ級、女子48キロ級
予選ラウンド 11時試合開始 決勝ラウンド 19時試合開始 開会式 18時15分

8月26日 男子66キロ級、女子52キロ級
予選ラウンド 10時試合開始 決勝ラウンド 19時試合開始

8月27日 男子73キロ級、女子57キロ級
予選ラウンド 10時試合開始 決勝ラウンド 19時試合開始

8月28日 男子81キロ級、女子63キロ級
予選ラウンド 11時試合開始 決勝ラウンド 19時試合開始

8月29日 男子90キロ級、女子70キロ級
予選ラウンド 12時試合開始 決勝ラウンド 19時試合開始

8月30日 男子100キロ級、女子78キロ級
予選ラウンド 12時試合開始 決勝ラウンド 19時試合開始

8月31日 男子100キロ超級、女子78キロ超級
予選ラウンド 13時試合開始 決勝ラウンド 19時試合開始

9月1日   男女混合団体戦
予選ラウンド 13時試合開始 決勝ラウンド 19時20分試合開始
予選ラウンド 準決勝、敗者復活戦まで
決勝ラウンド 3位決定戦、決勝戦

試合オーダー
1回戦  -73キロ、 -70キロ、-90キロ、 +70キロ、 +90キロ、 -57 キロ
2回戦  -70キロ、-90キロ、 +70キロ、 +90キロ、 -57 キロ、 -73キロ
準々決勝 -90キロ、 +70キロ、 +90キロ、 -57 キロ、 -73キロ、 -70キロ
準決勝・敗者復活戦 +70キロ、 +90キロ、 -57 キロ、 -73キロ、 -70キロ、-90キロ
決勝・3位決定戦 +90キロ、 -57 キロ、 -73キロ、 -70キロ、-90キロ、+70キロ


日本代表
男子
60キロ級 髙藤直寿(パーク24)、永山竜樹(了徳寺学園職)
66キロ級 丸山城志郎(ミキハウス)、阿部一二三(日体大)
73キロ級 大野将平(旭化成)
81キロ級 藤原崇太郎(日体大)
90キロ級 向翔一郎(ALSOK)
100キロ級 ウルフアロン(了徳寺学園職)
100キロ超級 原沢久喜(百五銀行)

団体戦
73キロ級 橋本壮市(パーク24)
90キロ級 村尾三四郎(東海大)
90キロ超級 影浦心(日本中央競馬会)

女子
48キロ級 渡名喜風南(パーク24)
52キロ級 阿部詩(日体大)、志々目愛(了徳寺学園職)
57キロ級 芳田司(コマツ)
63キロ級 田代未来(コマツ)
70キロ級 新井千鶴(三井住友海上火災保険)
78キロ級 濵田尚里(自衛隊体育学校)
78キロ超級 素根輝(環太平洋大)、朝比奈沙羅(パーク24)

団体戦
57キロ級 玉置桃(三井住友海上火災保険)
70キロ級 大野陽子(コマツ)


直前エントリーが締め切られ、149の国と地域を代表する841人(男子510人、女子331人)の選手が決まりました。
この結果、各階級のシード選手が最終的に決定し、大会前日の14時から組み合わせ抽選が行なわれました。



参加者一覧
Final entry list for #JudoWorlds

シード選手は下記のように配置されます。

プールA
第1シード、第8シード
プールB
第4シード、第5シード
プールC
第2シード、第7シード
プールD
第3シード、第6シード

準決勝
プールAの勝者対プールBの勝者
プールCの勝者対プールDの勝者

組み合わせ


男子
100キロ超級 
第1シード 世界ランク1位 TUSHISHVILI,Guram(GEO)
第2シード 世界ランク2位 KRPALEK,Lukas(CZE)
第3シード 世界ランク3位 MOURA,David(BRA)
第4シード 世界ランク4位 原沢久喜(百五銀行)
第5シード 世界ランク5位 SILVA,Rafael(BRA)
第6シード 世界ランク6位 SASSON,Or(ISR)
第7シード 世界ランク8位 MEYER,Roy(NED)
第8シード 世界ランク9位 KIM,Sungmin (KOR)欠場

原沢選手はプールBに配され、2回戦で昨年の世界選手権2位のKOKAURI, Ushangi選手(AZE)を体落とし一本で破ったHEGYI,Stephan選手(AUT)と対戦し、組み勝ってプレッシャーを掛けるも技の出は遅い。相手が消耗してきた3分過ぎ、内股で技ありを奪い、そのまま横四方固めに抑え込み、3分27秒合せ技で一本勝ち。厄介な相手に慎重になりましたが、確実に仕留めました。
3回戦ではNAIDAN,Tuvshinbayar選手(MGL)と対戦し、組み勝ってプレッシャーを掛け内股で攻め、フェイントからの小外は惜しくもポイントならず。相手の右一本背負いに体が流れるも辛うじて交わす。相手の治療再開後の3分30秒、小内刈りで技ありを奪い、後にジュリーから訂正が入り3分39秒一本勝ち。難敵に快勝です。
プール決勝は第5シードで世界ランク5位のSILVA,Rafael選手(BRA)と対戦し、ゴールデンスコア6分33秒指導3による反則勝ち。



シード以外の有力選手は、プールAにはVAKHAVIAK,Aliaksandr選手(BLR)が入り、ベスト8を懸けて第1シードで世界ランク1位のTUSHISHVILI,Guram選手(GEO)に挑みます。
反対側にはGROL,Henk選手(NED)とKRAKOVETSKII,Iurii選手(KGZ)が1回戦で対戦し、勝者が第8シードで世界ランク9位のKIM,Sungmin選手 (KOR)に挑みます
前述の通りプールBではKOKAURI,Ushangi選手(AZE)とHEGYI,Stephan選手(AUT)が1回戦で対戦し、勝者が2回戦で原沢選手に挑みます。3回戦ではベテランNAIDAN,Tuvshinbayar選手(MGL)が待ち構えるという厳しい組み合わせです。
反対側ではSIMIONESCU,Vladut選手(ROU)が第5シードで世界ランク5位のSILVA,Rafael選手(BRA)とベスト88を懸けて戦うことになりそうです。
プールCではOLTIBOEV,Bekmurod選手(UZB)がベスト8を懸けて第2シードで世界ランク2位のKRPALEK,Lukas選手(CZE)に挑みます。
反対側ではTASOEV,Inal選手(RUS)、ULZIIBAYAR,Duurenbayar選手(MGL)が続けて第7シードで世界ランク8位のMEYER,Roy選手(NED)に挑みます。
プールDでは第3シードで世界ランク3位のMOURA,David選手(BRA)の山には有力選手がおらず、反対側では第6シードで世界ランク6位のSASSON,Or選手(ISR)にKIM,Minjong選手(KOR)とTOKTOGONOV,Bekbolot選手(KGZ)の勝者が2回戦で挑戦し、この勝者がベスト8に進出することになりそうです。

第6シードで世界ランク6位のSASSON,Or選手(ISR)にKIM,Minjong選手(KOR)と対戦し、右一本背負いで技ありを奪われ優勢負け。腕を極めながら投げましたが反則を取りませんでした。





準決勝
TUSHISHVILI,Guram(GEO)△(合せ技 2:49)〇原沢久喜(百五銀行)
KRPALEK,Lukas(CZE)〇(GS縦四方固 5:31)△KIM,Minjong(KOR)

決勝
原沢久喜(百五銀行)△(GS反則勝ち 7:50)〇KRPALEK,Lukas(CZE)


優 勝 KRPALEK,Lukas(CZE)
準優勝 原沢久喜(百五銀行)
第三位 KIM,Minjong(KOR)
第三位 MEYER,Roy(NED)
第五位 SILVA,Rafael(BRA)
第五位 TUSHISHVILI,Guram(GEO)
第七位 GROL,Henk(NED)
第七位 MOURA,David(BRA)

原沢選手は厳しい組み合わせをじっくりと戦い、決勝に勝ち上がりましたが、それまでの激闘のツケで決勝は思うように戦えなかったのではないかと思います。
3回戦のNAIDAN,Tuvshinbayar選手(MGL)と戦いでは、嫌な相手に対し上手く戦い、このところよく見せる小内刈りで一本勝ちし、進化を感じさせてくれました。
準々決勝のSILVA,Rafael選手(BRA)と延長に縺れたのが痛かったです。ここでのスタミナロスが決勝に響いた気がします。
準決勝のTUSHISHVILI,Guram選手(GEO)は苦手なタイプだと思いますが、上手く戦っていったと思います。いい意味で予想を裏切る内容でした。
決勝のKRPALEK,Lukas選手(CZE)との戦いは、2つ目の指導を奪いリードしたところから自身が指導を受け並ぶところまでの約30秒が勝負の分かれ目だったと思います。
2つ目の指導はKRPALEK,Lukas選手が組み手を嫌がり、掛け逃げしたことによる指導でしたが、ここで追撃の手を緩めず攻めなければいけないところでしたが、行けませんでした。奮起した相手に攻め込まれ指導を受けることになりますが、ここから徐々に前に出られなくなり、立ち上がるスピードも遅くなり、印象が悪くなってしまいました。
今回は組み合わせも厳しいものでしたが、普段の稽古でも決して手を抜かない真面目な原沢選手ですから、オリンピックにはさらに一段上の原沢選手となってくれることを期待したいと思います。





女子
78キロ超級 
第1シード 世界ランク1位 ORTIZ,Idalys(CUB)
第2シード 世界ランク2位 朝比奈沙羅(パーク24)
第3シード 世界ランク3位 CERIC,Larisa(BIH)
第4シード 世界ランク4位 ALTHEMAN,Maria Suelen(BRA)
第5シード 世界ランク5位 KINDZERSKA,Iryna(AZE)
第6シード 世界ランク6位 素根輝(環太平洋大)
第7シード 世界ランク8位 SLUTSKAYA,Maryna(BLR)
第8シード 世界ランク9位 SOUZA,Beatriz(BRA)

朝比奈選手はプールCに配され、2回戦でNUNES,Rochele選手(POR)と対戦し、払い巻き込みで技ありを先制するも、払い腰を裏投げで返され技ありを取り返されゴールデンスコアに突入。一進一退の攻防が続き、5分23秒ようやく払い腰で一本勝ち。大苦戦の初戦でした。
3回戦はZABIC,Milica選手(SRB)と対戦し、この試合も指導2まで追い詰められましたが3分10秒払い腰が決まり一本勝ち。
プール決勝はSAYIT,Kayra選手(TUR)と対戦し、組み負けて技の出ない朝比奈選手に指導。次いで首抜きの指導が与えられ、2分以上残し指導2まで追い込まれる。最後は再び首抜きの指導を受け、3分44秒指導3による反則負け。敗者復活戦へ。
敗者復活戦はCERIC,Larisa選手(BIH)と対戦し、


素根選手はプールDに配され、2回戦でHAN,Mi Jin選手(KOR)と対戦し、右袖釣り込み腰で大きく崩し、そのまま腕を捕らえて上四方固めに抑え込み、1分10秒一本勝ち。
3回戦はVELENSEK,Anamari選手(SLO)と対戦し、組手をしっかりと管理しペースを握るも決め手を欠く、大内刈りで尻餅をつかすもノーポイント。ゴールデンスコアに入り4分24秒相手の大外刈りの戻り際に小外掛けで一本勝ち。
プール決勝はCERIC,Larisa選手(BIH)と対戦し、大内刈り、袖釣り込み腰、体落としで攻め、相手に指導が与えられます。最後まで同様の展開で、3分41秒指導3による反則勝ち。


シード以外の有力選手は、プールAの第1シードで世界ランク1位のORTIZ,Idalys選手(CUB)の山には見当たらずベスト8進出は濃厚。
反対側では第8シードで世界ランク9位のSOUZA,Beatriz選手(BRA)とKALANINA,Yelyzaveta選手(UKR)がORTIZ,Idalys選手への挑戦権を懸けて戦うことになりそうです。
プールBではWANG,Yan選手(CHN)が2回戦で第4シードで世界ランク4位のALTHEMAN,Maria Suelen選手(BRA)と対戦です。その勝者にMOJICA,Melissa選手(PUR)が挑みます。
反対側ではADLINGTON,Sarah選手(GBR)とSAVELKOULS,Tessie選手(NED)の勝者が2回戦で第5シードで世界ランク5位のKINDZERSKA,Iryna選手(AZE)に対戦です。その勝者とJABLONSKYTE,Sandra選手(LTU)とCHEIKH ROUHOU,Nihel選手(TUN)の勝者がベスト8を懸けて対戦となりそうです。
プールCではNUNES,Rochele選手(POR)が2回戦で朝比奈選手と対戦しそうです。その勝者とM BAIRO,Anne Fatoumata選手(FRA)が対戦です。
反対側ではSAYIT,Kayra選手(TUR)と第7シードで世界ランク8位のSLUTSKAYA,Maryna選手(BLR)の争いになりそうです。
プールDではKUELBS,Jasmin選手(GER)が2回戦で第3シードで世界ランク3位のCERIC,Larisa選手(BIH)と対戦し、勝者がベスト8に進出しそうです。
反対側では HERSHKO,Raz選手(ISR)とVELENSEK,Anamari選手(SLO)の勝者が素根選手に挑戦することになりそうです。

第7シードで世界ランク8位のSLUTSKAYA,Maryna選手(BLR)はSAYIT,Kayra選手(TUR)と対戦し、ゴールデンスコア4分29秒指導3による反則負け。




準決勝
ORTIZ,Idalys(CUB)〇(GS優勢勝ち 4:31)△ALTHEMAN,Maria Suelen(BRA)
SAYIT,Kayra(TUR)△(合せ技 0:27)〇素根輝(環太平洋大)

3位決定戦
朝比奈沙羅(パーク24)〇(払い腰 3:56)△ALTHEMAN,Maria Suelen(BRA)

決勝
ORTIZ,Idalys(CUB)△(GS反則勝ち 8:09)〇素根輝(環太平洋大)


優 勝 素根輝(環太平洋大)
準優勝 ORTIZ,Idalys(CUB)
第三位 朝比奈沙羅(パーク24)
第三位 SAYIT,Kayra(TUR)
第五位 ALTHEMAN,Maria Suelen(BRA)
第五位 SOUZA,Beatriz(BRA)
第七位 CERIC,Larisa(BIH)
第七位 KINDZERSKA,Iryna(AZE)

素根選手は組手をコントロールし、基本的に先に技を出し積極的に攻めていました。
そのため、試合運びに安定感があり、豊富な練習量もありスタミナで相手を圧倒する場面も見られました。不用意に指導を貰うこともあり、その点が今後の課題ですが、不安視されていた対海外勢との戦いでも結果を残し、オリンピック代表に一歩近づいたと思います。
決勝では先に指導2となりましたが、そこからも常に先に攻め、待てが掛かっても先に立ち上がり、前に出続けました。最後の場外指導はやや微妙な判定だったと思いますが、それまでの流れも含めれば妥当な判断だったと思います。この辺りが原沢選手(決勝までの激戦のツケがありましたが)や朝比奈選手との違いがあったと思います。
悲願の世界一を取った姿を見て、感動した方も多いと思います。同級生の阿部詩選手とともに黄金時代が来そうな予感です。
朝比奈選手は調子が上がらず、先に攻められ指導を貰う場面が目立ちました。何とか準々決勝まで勝ち上がりましたが、力尽きました。
負けパターンは指導の累積が多いのですが、今回は投げられるなど安定感を欠き、スタミナの面でも課題が改善されていない感じでした。今までは海外勢に対しての強さが目立ちましたが、今回の試合ぶりはそれを帳消しにする内容で、3位を確保したとはいえ、印象は悪く素根選手との差を感じさせるものでした。
オリンピックに向け、課題は積極性とスタミナと明確ですので、その部分の強化をしていって欲しいですね。





予選ラウンド(準々決勝まで)


ハイライト

Last day of the individual competition

ブログランキングに参加しました。

柔道ランキング
にほんブログ村 格闘技ブログへ
にほんブログ村