2018年世界柔道選手権大会がアゼルバイジャンの首都バクーで本日より始まりました。
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初日は男子60キロ級と女子48キロ級が行われました。

日本からは男女とも世界チャンピオンが出場です。
試合は日本時間15時ころからの開始です。
ファイナルブロックは、日本時間21時ころからの開始です。



日程
19日 組み合わせ抽選
20日 男子60キロ級(高藤直寿選手、永山竜樹選手)、女子48キロ級(渡名喜風南選手)
21日 男子66キロ級(阿部一二三選手)、女子52キロ級(志々目愛選手、阿部詩選手)
22日 男子73キロ級(橋本壮市選手)、女子57キロ級(芳田司選手)
23日 男子81キロ級(藤原崇太郎選手)、女子63キロ級(田代未来選手)
24日 男子90キロ級(長澤憲大選手)、女子70キロ級(大野陽子選手、新井千鶴選手)
25日 男子100キロ級(ウルフ・アロン選手)、女子78キロ級(濱田尚里選手)
26日 男子100キロ超級(原沢久喜選手、小川雄勢選手)、女子78キロ超級(朝比奈沙羅選手)
27日 男女混合団体戦(73キロ級 立川新選手、90キロ級 向翔一郎選手、57キロ級 玉置桃選手、70キロ超級 素根輝選手)

組み合わせ
男子60キロ級 高藤直寿選手、永山竜樹選手
永山選手は世界ランキング1位で第1シード、高藤選手は世界ランキング4位で第4シードです。MSHVIDOBADZE, Robert選手(RUS)が第2シード、PAPINASHVILI, Amiran選手(GEO)が第3シードです。
オリンピックチャンピオンのMUDRANOV, Beslan選手(RUS)はシード外でプールBに配され、ベスト8で高藤選手と対戦する組み合わせです。
永山選手は、プールAの2回戦でSZABO, Csaba選手(HUN)と対戦します。同じプールには第8シードのMCKENZIE, Ashley選手(GBR)がいます。
高藤選手は、プールBの2回戦でSTARKEL, David選手(SLO)と対戦します。同じプールには第5シードのGARRIGOS, Francisco選手(ESP)がいます。
永山選手と高藤選手は、順当に勝ち上がると準決勝で対戦します。
プールDでは、第3シードのPAPINASHVILI, Amiran選手(GEO)とSAFAROV, Orkhan選手(AZE)の4回戦に注目です。この勝者が決勝まで上がるのではないでしょうか。

高藤選手の初戦は、STARKEL, David選手(SLO)。開始から積極的に攻めて、寝技になったところを腕を取りながらいわゆる加藤返しから裏固めに抑え込み1分22秒一本勝ち。
3回戦の相手は、MIHU, Dorin選手(MDA)。内股で技ありを先制した高藤選手が、58秒再び内股で技ありを奪い、合わせ技で一本勝ち。
4回戦は KOFFIJBERG, Roy選手(NED)と対戦し、小外刈りで崩し、そのまま片手絞めで1分3秒一本勝ち。
準々決勝はオリンピックチャンピオンの MUDRANOV, Beslan選手(RUS)を小外掛け一本で下した地元HUSEYNOV, Karamat選手(AZE)と対戦し、小外刈りで技ありを奪った後送り襟絞めで一本勝ち。僅か17秒の電光石火の早業でした。

永山選手の初戦は、SZABO, Csaba選手(HUN)と対戦です。右の相四つですが、SZABO, Csaba選手は引き手を持たせず、お互いに指を組んでしまい指導。次いでSZABO, Csaba選手が不十分な巴投げを打ち、引き込み指導。最後はお互いに両袖を絞りあい、両者に指導が与えられ1分42秒永山選手の反則勝ち。
3回戦の相手は、CHKHVIMIANI, Lukhumi選手(GEO)。激しい組手争いの中、永山選手が背負いを中心に攻め、相手に指導。同じ展開が続き、2枚目の指導。3分35秒に3枚目の指導が与えられ反則勝ち。
4回戦は PRECIADO, Lenin選手(ECU)と対戦し、小外刈りで技ありを奪い優勢勝ち。
準々決勝は KIM, Yong Gwon選手(PRK)と対戦し、1分3秒内股で一本勝ち。

準決勝は、永山選手と高藤選手の日本勢と、第2シードのMSHVIDOBADZE, Robert選手(RUS) 地元SAFAROV, Orkhan選手(AZE)を下した第3シードのPAPINASHVILI, Amiran選手(GEO)の対戦です。

準決勝
永山竜樹選手対高藤直寿選手
組み際に永山選手が左背負いに入り大きく飛ばすも、高藤選手が上手く体を捻りノーポイント。その前の攻防で高藤選手が足を痛めたか?組み合わないということで永山選手に指導。次いで高藤選手にも指導。さらに高藤選手に指導。ゴールデンスコアに入り、高藤選手が永山選手の背負い投げを抱き別れで返すもノーポイント。さらに小内刈りで技ありを奪い逆転の優勢勝ち。

MSHVIDOBADZE, Robert選手(RUS)対PAPINASHVILI, Amiran選手(GEO)
お互いに技ありを奪い、ゴールデンスコアに入りMSHVIDOBADZE, Robert選手(RUS)が技ありを奪い、会わせ技で一本勝ち。

3位決定戦
HUSEYNOV, Karamat選手(AZE)対PAPINASHVILI, Amiran選手(GEO)
PAPINASHVILI, Amiran選手が技ありを奪い優勢勝ち。

LEE, Harim選手(KOR)対永山竜樹選手
指導2対1で永山選手が押し気味の状態でゴールデンスコアに突入。やや攻めあぐねた永山選手に指導が与えられ、タイスコア。徐々に徐々に永山選手が押し込み、最後は両袖からの内股で一本勝ち。


決勝
高藤直寿対MSHVIDOBADZE, Robert選手(RUS)
高藤選手が小内刈りで技ありを奪い、そのまま優勢勝ち。二連覇達成!



優    勝    高藤直寿
準優勝    MSHVIDOBADZE, Robert(RUS)
第3位    永山竜樹
第3位    PAPINASHVILI, Amiran(GEO)

この日の高藤選手は安定していました。以前と違い、落ち着いて試合に挑み、集中してワンチャンスで確実に仕留めていました。
永山選手も安定した戦いぶりでしたが、極めるという点で高藤選手と差があったように感じます。
高藤選手が、東京に向けて1歩リードしたといったところです。


女子48キロ級 渡名喜風南選手
渡名喜選手が世界ランキング4位で第4シードです。
第1シードはMUNKHBAT, Urantsetseg選手(MGL)、第2シードはDOLGOVA, Irina選手(RUS)、第3シードがBILODID, Daria選手(UKR)となっています。
注目は何と行ってもBILODID, Daria選手(UKR)。まだ17歳ながら、このところ負け知らず。渡名喜選手にも2連勝しています。
渡名喜選手は、プールBの2回戦でRISHONY, Shira選手(ISR)とCHERNIAK, Maryna選手(UKR)の勝者と対戦です。同じプールには第5シードのNIKOLIC, Milica選手(SRB)がいます。
勝ち上がると、準決勝では第1シードはMUNKHBAT, Urantsetseg選手(MGL)との対戦になります。

渡名喜選手の初戦は、RISHONY, Shira選手(ISR)と対戦し、小外掛けで技ありを奪い優勢勝ち。
3回戦はKANG, Yujeong選手(KOR)と対戦し、足技からよく攻めますが決め手を欠きゴールデンスコアまで縺れました。最後までよく攻めた渡名喜選手が、SRTで返し袈裟固めで一本勝ち。
準々決勝はFIGUEROA, Julia(ESP)と対戦し、足技から先に攻め、指導2を奪い、最後は相手が国士館返しを仕掛けてきたところを先に回り、上手く切り返して崩れ上四方固めで抑え込み一本勝ち。

準決勝は世界ランク1位のMUNKHBAT, Urantsetseg選手(MGL)と対戦です。もうひとつの対戦は、オリンピックチャンピオンのPARETO, Paula選手(ARG)と17歳のBILODID, Daria選手(UKR)。

準決勝
MUNKHBAT, Urantsetseg選手(MGL)対渡名喜風南選手
お互いに指導が与えられ、その後韓国背負いで技ありを奪われた渡名喜選手ですが、場外指導で相手に2枚目の指導。残り17秒、掛け逃げで3枚目の指導が相手に入り、渡名喜選手逆転の反則勝ち。

PARETO, Paula選手(ARG)対BILODID, Daria選手(UKR)
BILODID, Daria選手(UKR)が技ありを奪い優勢勝ち。

3位決定戦
PARETO, Paula選手(ARG)対COSTA, Catarina選手(POR)
PARETO, Paula選手が58秒一本勝ち。

GALBADRAKH ,Otgontsetseg選手(KAZ)対MUNKHBAT, Urantsetseg選手(MGL)
ゴールデンスコア20秒、MUNKHBAT, Urantsetseg選手に3枚目の指導が与えられGALBADRAKH ,Otgontsetseg選手の反則勝ち。

決勝
渡名喜風南対BILODID, Daria選手(UKR)
リーチの差は如何んともし難く組み負ける場面が多い。1分53秒、BILODID, Daria選手(UKR)の大内刈りが一本勝ち。
これからBILODID, Daria選手の時代が続きそうです。

優    勝    BILODID, Daria(UKR)
準優勝    渡名喜風南
第3位    PARETO, Paula(ARG)
第3位    GALBADRAKH ,Otgontsetseg(KAZ)

渡名喜選手も、足技と寝技を駆使し決勝に勝ち上がりましたが、BILODID, Daria選手とは相性が悪いです。BILODID, Daria選手は、1試合目は硬さが見られましたが、勝ち上がるに従い実力を発揮し、見事世界一の座を射止めました。
しばらく、BILODID, Daria選手の時代が続きそうな圧勝劇でした。