先日の神奈川県総体柔道個人戦に続き、5月28日に東京都総体柔道男子個人戦、女子団体戦も講道館にて開催されました。



このところ東京都の充実振りは著しく、東京を制する者全国を制するという感じでした。
今年はその図式がやや崩れた感があるものの、未だに強いことに間違いはありません。



私が高校生だった頃は、世田谷学園が2年連続で高校3冠(選手権、インターハイ、金鷲旗)の真っ只中。
続く二番手に国士舘、ベスト4には足立学園、正則、修徳、日大一などが入っていた時代です。



では、順番に男子7階級の結果を見てみます。

60キロ級
60キロ級は、春の選手権も都代表になり、全国ベスト8の足立学園 上領選手が準決勝で国士舘 中里選手に破れる波乱。
決勝は上領選手のチームメイト、武岡選手が勝ちあがりました。
武岡選手は右、中里選手は左のケンカ四つ。激しい組手争いが続きます。
武岡選手の隅返し、中里選手の肩車ともに浅く、ポイントまではもう一歩です。
中里選手の腰車で大きく崩されますが上手く体を捻り腹ばいでポイントなし。武岡選手は指導2まで追い込まれます。
中里選手は猛攻を仕掛けますが、ポイントを取ることができずGSへ。
GSに入り、劣勢な武岡選手が内股から右小外掛けで体を預け技ありを取り、逆転勝ちをしました。

優勝 武岡(足立学園)
第2位 中里(国士舘)
第3位 田中(日体大荏原)
第3位 上領(足立学園)


66キロ級
66キロ級は、春の選手権の都代表、日体荏原 小野里選手が決勝まで1本勝ちで勝ち上がりました。決勝では駒大高校 新井選手左、小野里選手は右のケンカ四つ。
新井選手は内股、小野里選手は背負いで攻めます。小野里選手の背負いは惜しくも場外。
押し気味に試合を進めますが、決定打が出ずGSへ。
GSに入って早々、大外刈りで技ありを奪い、見事に連続で代表になりました。

優勝 小野里(日体大荏原)
第2位 新井(駒大)
第3位 丸本(岩倉)
第3位 松村(足立学園)


73キロ級
73キロ級は、春の選手権予選で苦杯を舐めた日体荏原 塚本選手が順調に勝ちあがり、決勝で安田学園 近藤選手との対戦です。
お互い左組みの相四つです。
近藤選手は背が高く、塚本選手はやややり難そうです。遠間から近藤選手が組み際の大外に入りますが、体幹の強い塚本選手がこれをしぶとく返し、技ありを奪います。
そのまま上手く時間を使い、逃げ切り成功です。
以前から団体戦での活躍は目を見張るものがありましたが、高校の個人では初タイトルではないでしょうか。
全国での活躍が楽しみな選手ですが、大きな選手とやる時の輝きが今ひとつだったのが気がかりです。
前回塚本選手を破った国士舘 斉藤選手は、ベスト8で明大中野 間瀬選手に1本負けを喫し、都代表で全国ベスト8だった日体荏原 森選手も同じくベスト8で安田学園 近藤選手にGSに縺れる熱戦ながらも技ありを取られ、涙を飲みました。

優勝 塚本(日体大荏原)
第2位 近藤(安田学園)
第3位 間瀬(明大中野)
第3位 三谷(国士舘)


81キロ級
81キロ級は、昨年までの絶対王者日体荏原 藤原選手が抜け混戦模様。春の選手権都代表の国士舘 長島選手が準決勝で足立学園 押領司選手にGSの指導で破れ、反対側からは同じく足立学園 白石選手が準決勝で修徳 尾川選手を破り進出。
足立学園同士での決勝となりました。
白石選手が右、押領司選手が左のケンカ四つの争いです。
同門同士ということで、手の内を知り尽くしているので、やり難そうです。
徐々に白石選手が押し、指導が溜まり、最後は袖釣り込みで押し込まれ3個目の指導が与えられ反則負け。
白石選手が嬉しいインターハイ出場を勝ち取りました。

優勝 白石(足立学園)
第2位 押領司(足立学園)
第3位 小川(修徳)
第3位 長島(国士舘)


90キロ級
90キロ級は、春の選手権で階級がまとめられたために開催されていませんでした。
決勝に勝ち上がったのは、準決勝で日体荏原 内藤選手に一本勝ちした国士舘 織茂選手と、国士舘 安藤選手に技ありを奪った日体荏原 菅原選手。
両選手とも、準決勝で同門の選手が敗れていますので、敵討ちの様相となった決勝戦です。
両選手とも負けられない戦いということでGSに雪崩れ込み、菅原選手が一本勝ちで決着をつけました。

優勝 菅原(日体大荏原)
第2位 織茂(国士舘)
第3位 安藤(国士舘)
第3位 内藤(日体大荏原)


100キロ級
100キロ級も90キロ級同様に春の選手権では無差別級にまとめられたため、開催されていませんでした。
決勝には、準決勝で東海大高輪台 金崎選手をGSで一本勝ちで下した国士舘 道下選手と、国士舘 清水選手に一本勝ちした修徳 中村選手が勝ちあがりました。
道下選手左、中村選手右のケンカ四つです。
道下選手は体落とし、中村選手は、払腰、小外、袖釣り込みなどで攻めます。
一進一退の攻防が続き、GSへ突入。
決勝はGSまでもつれ、中村選手が何とか技ありを奪取し、優勝を決めました。

優勝 中村(修徳)
第2位 道下(国士舘)
第3位 清水(国士舘)
第3位 金崎(東海大高輪台)


100キロ超級
100キロ超級は、春の選手権都代表の八王子学園 戸高選手と足立学園 山本選手が二強。
そこに全日本カデ90キロ超級チャンピオンで故斉藤仁さんの次男、国士舘 斉藤立選手が虎視眈々と頂点を狙う構図です。
準決勝で戸高選手と斉藤選手が激突し、斉藤選手が内股一閃。見事に一本勝ちで決勝進出です。
決勝には山本選手が順調に進出です。
斉藤選手が1年生ながら都大会を制することができるか注目されました。
斉藤選手は左、山本選手は右のケンカ四つ。
斉藤選手は内股、体落とし中心に迫力のある攻めを見せ、山本選手が捌く展開です。山本選手は指導2まで追い詰められ、絶体絶命。
しかし、GSに入り、組み際に小外刈り技ありを奪い、山本選手が上級生の意地を見せ、斉藤選手を下して優勝です。
山本選手は春の選手権の団体戦で国東高校に負けた悔しさを晴らすチャンスですね。

優勝 山本(足立学園)
第2位 斉藤(国士舘)
第3位 戸高(八王子学園)
第3位 村上(日体大荏原)


ということで、7階級中、3階級を足立学園と日体荏原が取り、残り1階級を修徳が取るという結果でした。
国士舘は1階級も取れず、悔しい結果に終わりましたね。
足立学園が3階級制覇したのは初めてのことだそうです。


いずれの階級も、インターハイでの活躍が期待できますから、楽しみですね。
神奈川県勢との争いも見ものです。
皆さん、ケガのないように稽古を積んで、活躍されることを楽しみにしています。

2017inhi7
画像は東京都高等学校体育連盟柔道専門部HPからお借りしました。