2年連続で中止となった全国七大学総合体育大会柔道競技大会(第71回全国七大学柔道優勝大会)が、7月2日、3日の2日間宮城県武道館で開催されます。
Pfoto by 北大柔道部観察記
私の周りのOBの方々も、大変盛り上がっております。
全くの無関係な私も、その影響を受けております。
先日の全日本学生柔道優勝大会に負けない熱い戦いが繰り広げられるはずです。
ライブ配信もこちら↑にリンクがあります。
七帝戦はご存知の通り、寝技中心の競技です。
ルールもIJFルールや講道館ルールと違う七帝ルールが用いられます。
15人同士の抜き勝負。
チームのためには腕が折れても参ったしない。
そんな古風な男たち(今は女子の試合もあります)の戦いです。
七帝ルール
本を読んで七帝の歴史に触れてみよう
漫画でもどうぞ
残念ながら無観客での開催ということですが、YouTubeでのライブ配信が実施されるそうです。
先日の全日本学生柔道優勝大会にも出場した北海道大学の戦力が充実。
これを東北大、東京大が追う展開でしょうか?
1年時の大会で活躍した選手がいるチームも期待できます。
最後に開催された令和元年の68回大会では、東北大と大阪大が一歩も譲らず、繰り返しの代表戦でも決着つかず、時間切れで両校優勝という結末でした。
今回はどんなドラマが待っているのでしょうか。
15人戦ということで、まずは選手を集めることが大変です。
名古屋大は10名でのエントリーと、苦戦を強いられていますが、抜き勝負で勝敗が決するので頑張り次第で何とか出来ます。
これが七大戦の一番の魅力ですね。
2年間大会が開催されないことで、各校の戦力は正直未知数です。
稽古状況も差があったでしょうし、実践経験の不足もあるでしょう。
現4年生が1年生の時にあった大会が最後ですから、その後の成長がどうなっているのか?
そして新戦力の力具合はどうか?
そんなところに注目です。
そんな試合の展開を占う組み合わせ抽選は、7月1日に行われます。
今大会の主幹校は東北大のため、東北大を除く6校が1回戦で対戦し、その敗者と東北大、敗者同士が2回戦を争います。
男子団体戦
初日
1回戦
1-1 名古屋大 △対〇(7人残し) 北海道大
1-2 九州大 〇対△(1人残し) 大阪大
1-3 東京大 〇対△(2人残し) 京都大
勝者は準決勝進出
敗者復活1回戦
1-4 東北大 〇対△(9人残し) 名古屋大
1-5 大阪大 △対〇(1人残し) 京都大
敗者復活3回戦
3-1 東北大 〇対△(4人残し) 京都大
第1試合場
第2試合場
準決勝
4-1 北海道大 〇対△(3人残し) 九州大
4-2 東京大 △対〇(2人残し) 東北大
決勝
北海道大 〇対△(2人残し) 東北大
先鋒 横森△(1:22 片手絞め)〇菅原優 先鋒
次鋒 長尾 (6:00 引き分け) 菅原優 先鋒
三鋒 桑村 (6:00 引き分け) 花川 次鋒
四鋒 石川〇(5:12 横四方固)△有本 三鋒
四鋒 石川 (6:00 引き分け) 石田 四鋒
五鋒 坂田 (6:00 引き分け) 津田 五鋒
六鋒 北川△(4:21 上四方固)〇菅原薫 六鋒
七鋒 門馬 (6:00 引き分け) 菅原薫 六鋒
中堅 田中 (6:00 引き分け) 北山 七鋒
七将 澤田 (6:00 引き分け) 二階堂 中堅
六将 里信〇(2:13 大内刈り)△吉永 七将
六将 里信 (6:00 引き分け) 千葉 六将
五将 玉本〇(1:24 上四方固)△茂木 五将
五将 玉本△(2:40 縦四方固)〇脇野 四将
四将 藤井〇(0:25 送襟絞め)△脇野 四将
四将 藤井 (6:00 引き分け) 門馬 三将
三将 國次 (8:00 引き分け) 菊池 副将
副将 石田舜〇(1:36 縦四方固)△小寺 大将
大将 羽成
男子決勝戦
先鋒戦で東北大菅原優(宮城県・仙台育英高)選手が一瞬の隙を突き、北海道大先鋒の横森(1年 千葉県・千葉高)選手を片手絞めで極め、貴重な先制点を獲得。
続く次鋒の長尾(2年 愛知県・海陽高)選手とは手堅く引き分け、1人リードを作り先鋒の役目を果たします。
1試合引き分けの後、北海道大四鋒の石川(4年 東京都・桐朋高)選手が東北大三鋒の有本(1年 兵庫県・北摂三田高)選手を下から帯を持って返し、足を抜いて時間ギリギリに横四方固めで抑えきり追いつきます。
四鋒の石田(長野県・佐久長聖高)選手とは、抑え込まれそうになりながらも二重絡みで凌ぎ切り、何とか引き分けて襷を次に繋ぎます。
1試合引き分けを挟み、東北大は抜き役の六鋒の菅原薫(6年 秋田県・秋田高)選手。対する北海道大は六鋒の次期主将の北川(3年 富山県・高岡高)選手。体格で勝る菅原選手が立ち技でも圧を掛け続け、寝技でも上から体重を生かし、足を担いで周り込み、ついに崩れ上四方固めに捕え4分21秒一本勝ち。再び東北大がリードを奪います。
ここでさらにリードを広げたいところですが、スタミナが切れてきており続く七鋒の門馬(2年 千葉県・幕張総合高)選手を捉えることが出来ず引き分け。
引き分け1試合を挟み、東北大は中堅の菅原薫選手と並ぶ抜き役二階堂(2年 秋田県・秋田高)選手。対する北大は主将の七将澤田(4年 愛知県・瑞陵高)選手。
二階堂選手は前日の京都大戦では6人抜き、準決勝の東京大戦でも3人抜きと大活躍ですが、2日間で11試合を既に戦いその分疲労も大きく、なかなか取りに行けません。前に終始出続ける立ち技の展開が続くも、澤田選手の防御も固く引き分け。北海道大としては主将の澤田選手で東北大のエース格から失点を防ぎ、後半の巻き返しに繋ぎます。
北海道大六将の里信(3年 広島県・広島大附属高)選手が東北大六将の吉永(4年 静岡県・沼津東高)選手から組み際の大内刈りで刈り切り一本勝ちし、追いつきます。
続く東北大六将の千葉(4年 宮城県・仙台第一高)選手とは、里信選手が大内刈りで技ありを奪い、亀の状態にして頭に付き、隙あらば横三角を狙う姿勢を見せつつ無理をせず塩漬けの展開として引き分け。
五将戦は、北海道大が玉本(3年 広島県・広島学院高)選手、東北大が茂木選手。体格に勝る玉本選手が茂木選手が引き込んできたところをすぐに潰し、素早く背後に回り込み巧みに足を一本与えつつ上になり、基本通りに腕を縛り上半身をしっかりと固め、足を抜いて教科書通りの展開で崩れ上四方固めに抑えきり、一本勝ち。ついに北海道大学がリードを奪います。
東北大は初めてリードを許し、四将の脇野(3年 新潟県・高志中等)選手が頭側からがぶって潰し、そのままSRTで縦四方固めに抑え込み一本勝ち。東北大が追い付く一進一退の展開。
北海道大は四将の藤井(3年 北海道・寿都高)選手が登場。開始早々奥襟を叩き、そのまま引きづり落とし、脇野選手が亀で守ろうとした瞬間に右手で絞めに入り、送り襟絞めで電光石火の一本勝ち。勝ってホッとした一瞬の隙を突かれました。脇野選手ガックリ。
東北大は三将の門馬(2年 千葉県・千葉高)選手が登場し、1点ビハインドを取り返そうとしますが、藤井選手はその隙を見せず、開始早々内股で大きく投げ技ありを奪い、優位に進めます。このまま無理をせず引き分け。
東北大は副将の菊池(3年 栃木県・宇都宮高)選手が登場。対する北海道大は三将の國次(3年 岡山県・岡山大安寺高)選手。國次選手は、前日の全日本学生柔道大会で日体大と対戦した際に、唯一引き分けた実力者です。ここから試合時間は8分になります。
菊地選手が同点目指し、引き込んで攻めますが、國次選手は無理をせず決定的な場面を作らせない展開で進み、時間。
東北大はついに大将の小寺(3年 福島県・会津高)選手、北海道大は副将の石田舜(4年 千葉県・千葉高)選手がが登場する大詰めです。
体格で勝る石田舜選手が両手で襟を持ち、引きずり落とし亀の体勢にさせ、横三角を狙いつつ隙を作り、腹の下から左手を差し込み上着の裾を握り締め、二度SRTを試みます。何とか堪える小寺選手ですが、徐々に拘束を強めた石田舜選手が、四度目のトライで完璧に縦四方固めに抑え込み、一本勝ち。
第59回以来12年ぶり8回目の優勝に華を添えました。
前々の予想通りの決勝戦の対戦でした。
大駒を擁す東北大とどこからでも得点できる北海道大というチームカラーの異なる戦いでした。
一般に抜き勝負は、大駒のいるチームが有利ですが、今大会においては新型コロナ明けということもあり、大型選手は稽古量の懸念がありました。また、準決勝で大活躍した東北大 二階堂選手もスタミナ切れ。どこからでも得点可能な北海道大が、これを上回りました。
初戦の名古屋大戦では詰めの甘さも見せ、3敗を喫しましたが、準決勝の九州大戦では1点先制されたものの4勝を挙げ逆転。
決勝も同様に先制を許しましたが、複数抜かれることを防ぎ、総合力で上回りました。
七帝の団体戦らしい戦いぶり。
One For All,All For Oneの戦いぶりでした。
女子団体戦
女子は北海道大、東京大、京都大、九州大がエントリー。
九州大の猪川そよ選手は、桐蔭学園出身で、県チャンピオンになり、団体戦では金鷲旗で3位入賞した実力者です。
女子も団体戦で行われ、4校でのリーグ戦で争われます。
一人で参加の九州大学は勝負には勝てませんが、存在感を示して欲しいものです。
→点取り試合から抜き試合に変更
女子団体戦予選リーグ
九州大 △対〇(1人残し) 京都大
北海道大 〇対△(2人残し) 東京大
京都大 △対〇(2人残し) 北海道大
九州大 〇対△(1人残し) 東京大
京都大 〇対△(2人残し) 東京大
九州大 △対〇(2人残し) 北海道大
予選リーグ順位
1位 北海道大
2位 京都大
3位 九州大
4位 東京大
決勝
北海道大 〇対△(1人残し)△ 京都大
先鋒 松倉〇(不 戦)△ーー 先鋒
先鋒 松倉△(4:01 送襟絞め)〇中吉 中堅
中堅 後藤 (6:00 引き分け) 中吉 中堅
大将 若月〇(0:08 内 股)△オウ 大将
女子決勝戦
女子の決勝は北海道大と京都大。
予選リーグでは北海道大が2人残しで勝利。
京都大は2名でのエントリーなので、かなり不利です。
オーダーは予選と全く同様。
先鋒戦は京都大が不在のため、北海道大は神奈川県出身の松倉(3年 神奈川県・横浜翠嵐高)選手と京都大は鎌倉柔道協会で活躍する東北大元主将の後輩千葉高の中吉(4年 千葉県・千葉高)選手の対戦。
北海道大としては中吉選手を早めに止めたいところ。対する京都大は中吉選手が全員を抜き去ることが勝利の条件というハードルの高い条件。
松倉選手は敗れるにしても、時間を長く掛け中吉選手のスタミナを削りたいところ。松倉選手粘りますが、中吉選手が後ろに付き、下半身をしっかりと極めてから絞めを狙い、松倉選手は参ったせず落ちるまで我慢します。
続いて中堅主将の後藤(4年 埼玉県・大宮高)選手が登場。予選では一本勝ちしていますが、チームの勝ちを優先し無理をしない展開です。危ない場面もありましたが、専守防衛に徹し引き分け。
大将同士の決戦は、京都大が経験の浅い海外からの留学生オウ(1年 中国・新華職業大)選手。対する北海道大は3年生の若月(3年 新潟県・新潟高)選手。若月選手組むや否や電光石火の左内股に飛び込み、豪快に投げ切り一本勝ち。
七帝と言えば寝技ですが、立ち技も切れるところを見せつけました。
北海道大は第62回大会から第64回大会まで3連覇して以来の7年ぶり8回目の優勝です。
主将の後藤選手は、小さい体ながら切れのある動きと、七帝らしい立ち技から寝技の連動で一本勝ちを量産しました。
特に巴投げから十字固めの連動は芸術的です。
九州大の強豪、2階級上の猪川そよ選手から奪った一本勝ちは大会ベスト一本と言って過言ではありません。
後藤選手は、上記の記事にもあるように、高校時代も恵まれた柔道環境で活動出来ていません。
大学進学後も稽古を続け、あのような七帝を代表するような試合展開をする、素晴らしい七帝戦士になっています。
稽古量が全てを決めるという七帝柔道を、文字通り実践したのだな~と感じた次第です。
4年生となり、2年間の大会中止を受け、主将として迎えた最後の七帝戦。
さぞ、感無量だったと思います。
個人的な今大会MVPですね。
男女アベック優勝は、第52回大会の東北大、第60回大会、第61回大会の名古屋大、第68回大会の大阪大に続いて5校目の快挙です。
北大が優勝したら、これですよ!
いつの間にやら、私も歌えるかも(笑)
2日目 第1試合場
2日目 第2試合場(決勝戦はこちら)
大会日程
7月1日
組み合わせ抽選
7月2日
9時00分 開会式
9時30分 試合開始
7月3日
9時15分 試合開始
3年ぶりに開催される全国七大学柔道優勝大会。
出場できなかった選手の思いが、いつもより濃縮された大会です。
その甲斐あってか、人数不足のチームがある中、抜き勝負というレギュレーションも相まって好勝負が展開されました。
特にOB、OG、関係者の思いを汲んだ戦いで、見る者を感動させたと思います。
それぞれのチームにそれぞれのドラマがあったと思います。
そして、OB、OGは何年経過しても、まるで自分が今戦っているように感情移入させ応援し、涙を流していたようです。
七帝戦に限らず、OB、OG、関係者の熱い思いはあると思いますが、それが色濃いのが七帝柔道だと思います。
そんな熱いOBから、歓喜のお酒で酔っ払ってお電話をいただきました。(その前にも七帝関係者には電話しまくっていたようですが、部外者に掛けた第1号だったとか)
私は七帝柔道と全く関係のない者ですが、鎌倉で七帝の方々から色々と刺激を受けています。
そんな私を、七帝の仲間として認めてくれたような電話。
嬉しかったですね。
こんな仲間と柔道出来て幸せです。
偶然にも同じような話がアップされていました。
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私の周りのOBの方々も、大変盛り上がっております。
全くの無関係な私も、その影響を受けております。
先日の全日本学生柔道優勝大会に負けない熱い戦いが繰り広げられるはずです。
ライブ配信もこちら↑にリンクがあります。
七帝戦はご存知の通り、寝技中心の競技です。
ルールもIJFルールや講道館ルールと違う七帝ルールが用いられます。
15人同士の抜き勝負。
チームのためには腕が折れても参ったしない。
そんな古風な男たち(今は女子の試合もあります)の戦いです。
七帝ルール
本を読んで七帝の歴史に触れてみよう
漫画でもどうぞ
残念ながら無観客での開催ということですが、YouTubeでのライブ配信が実施されるそうです。
先日の全日本学生柔道優勝大会にも出場した北海道大学の戦力が充実。
これを東北大、東京大が追う展開でしょうか?
1年時の大会で活躍した選手がいるチームも期待できます。
最後に開催された令和元年の68回大会では、東北大と大阪大が一歩も譲らず、繰り返しの代表戦でも決着つかず、時間切れで両校優勝という結末でした。
今回はどんなドラマが待っているのでしょうか。
15人戦ということで、まずは選手を集めることが大変です。
名古屋大は10名でのエントリーと、苦戦を強いられていますが、抜き勝負で勝敗が決するので頑張り次第で何とか出来ます。
これが七大戦の一番の魅力ですね。
2年間大会が開催されないことで、各校の戦力は正直未知数です。
稽古状況も差があったでしょうし、実践経験の不足もあるでしょう。
現4年生が1年生の時にあった大会が最後ですから、その後の成長がどうなっているのか?
そして新戦力の力具合はどうか?
そんなところに注目です。
そんな試合の展開を占う組み合わせ抽選は、7月1日に行われます。
今大会の主幹校は東北大のため、東北大を除く6校が1回戦で対戦し、その敗者と東北大、敗者同士が2回戦を争います。
男子団体戦
初日
1回戦
1-1 名古屋大 △対〇(7人残し) 北海道大
1-2 九州大 〇対△(1人残し) 大阪大
1-3 東京大 〇対△(2人残し) 京都大
勝者は準決勝進出
敗者復活1回戦
1-4 東北大 〇対△(9人残し) 名古屋大
1-5 大阪大 △対〇(1人残し) 京都大
敗者復活3回戦
3-1 東北大 〇対△(4人残し) 京都大
第1試合場
第2試合場
準決勝
4-1 北海道大 〇対△(3人残し) 九州大
4-2 東京大 △対〇(2人残し) 東北大
決勝
北海道大 〇対△(2人残し) 東北大
先鋒 横森△(1:22 片手絞め)〇菅原優 先鋒
次鋒 長尾 (6:00 引き分け) 菅原優 先鋒
三鋒 桑村 (6:00 引き分け) 花川 次鋒
四鋒 石川〇(5:12 横四方固)△有本 三鋒
四鋒 石川 (6:00 引き分け) 石田 四鋒
五鋒 坂田 (6:00 引き分け) 津田 五鋒
六鋒 北川△(4:21 上四方固)〇菅原薫 六鋒
七鋒 門馬 (6:00 引き分け) 菅原薫 六鋒
中堅 田中 (6:00 引き分け) 北山 七鋒
七将 澤田 (6:00 引き分け) 二階堂 中堅
六将 里信〇(2:13 大内刈り)△吉永 七将
六将 里信 (6:00 引き分け) 千葉 六将
五将 玉本〇(1:24 上四方固)△茂木 五将
五将 玉本△(2:40 縦四方固)〇脇野 四将
四将 藤井〇(0:25 送襟絞め)△脇野 四将
四将 藤井 (6:00 引き分け) 門馬 三将
三将 國次 (8:00 引き分け) 菊池 副将
副将 石田舜〇(1:36 縦四方固)△小寺 大将
大将 羽成
男子決勝戦
先鋒戦で東北大菅原優(宮城県・仙台育英高)選手が一瞬の隙を突き、北海道大先鋒の横森(1年 千葉県・千葉高)選手を片手絞めで極め、貴重な先制点を獲得。
続く次鋒の長尾(2年 愛知県・海陽高)選手とは手堅く引き分け、1人リードを作り先鋒の役目を果たします。
1試合引き分けの後、北海道大四鋒の石川(4年 東京都・桐朋高)選手が東北大三鋒の有本(1年 兵庫県・北摂三田高)選手を下から帯を持って返し、足を抜いて時間ギリギリに横四方固めで抑えきり追いつきます。
四鋒の石田(長野県・佐久長聖高)選手とは、抑え込まれそうになりながらも二重絡みで凌ぎ切り、何とか引き分けて襷を次に繋ぎます。
1試合引き分けを挟み、東北大は抜き役の六鋒の菅原薫(6年 秋田県・秋田高)選手。対する北海道大は六鋒の次期主将の北川(3年 富山県・高岡高)選手。体格で勝る菅原選手が立ち技でも圧を掛け続け、寝技でも上から体重を生かし、足を担いで周り込み、ついに崩れ上四方固めに捕え4分21秒一本勝ち。再び東北大がリードを奪います。
ここでさらにリードを広げたいところですが、スタミナが切れてきており続く七鋒の門馬(2年 千葉県・幕張総合高)選手を捉えることが出来ず引き分け。
引き分け1試合を挟み、東北大は中堅の菅原薫選手と並ぶ抜き役二階堂(2年 秋田県・秋田高)選手。対する北大は主将の七将澤田(4年 愛知県・瑞陵高)選手。
二階堂選手は前日の京都大戦では6人抜き、準決勝の東京大戦でも3人抜きと大活躍ですが、2日間で11試合を既に戦いその分疲労も大きく、なかなか取りに行けません。前に終始出続ける立ち技の展開が続くも、澤田選手の防御も固く引き分け。北海道大としては主将の澤田選手で東北大のエース格から失点を防ぎ、後半の巻き返しに繋ぎます。
北海道大六将の里信(3年 広島県・広島大附属高)選手が東北大六将の吉永(4年 静岡県・沼津東高)選手から組み際の大内刈りで刈り切り一本勝ちし、追いつきます。
続く東北大六将の千葉(4年 宮城県・仙台第一高)選手とは、里信選手が大内刈りで技ありを奪い、亀の状態にして頭に付き、隙あらば横三角を狙う姿勢を見せつつ無理をせず塩漬けの展開として引き分け。
五将戦は、北海道大が玉本(3年 広島県・広島学院高)選手、東北大が茂木選手。体格に勝る玉本選手が茂木選手が引き込んできたところをすぐに潰し、素早く背後に回り込み巧みに足を一本与えつつ上になり、基本通りに腕を縛り上半身をしっかりと固め、足を抜いて教科書通りの展開で崩れ上四方固めに抑えきり、一本勝ち。ついに北海道大学がリードを奪います。
東北大は初めてリードを許し、四将の脇野(3年 新潟県・高志中等)選手が頭側からがぶって潰し、そのままSRTで縦四方固めに抑え込み一本勝ち。東北大が追い付く一進一退の展開。
北海道大は四将の藤井(3年 北海道・寿都高)選手が登場。開始早々奥襟を叩き、そのまま引きづり落とし、脇野選手が亀で守ろうとした瞬間に右手で絞めに入り、送り襟絞めで電光石火の一本勝ち。勝ってホッとした一瞬の隙を突かれました。脇野選手ガックリ。
東北大は三将の門馬(2年 千葉県・千葉高)選手が登場し、1点ビハインドを取り返そうとしますが、藤井選手はその隙を見せず、開始早々内股で大きく投げ技ありを奪い、優位に進めます。このまま無理をせず引き分け。
東北大は副将の菊池(3年 栃木県・宇都宮高)選手が登場。対する北海道大は三将の國次(3年 岡山県・岡山大安寺高)選手。國次選手は、前日の全日本学生柔道大会で日体大と対戦した際に、唯一引き分けた実力者です。ここから試合時間は8分になります。
菊地選手が同点目指し、引き込んで攻めますが、國次選手は無理をせず決定的な場面を作らせない展開で進み、時間。
東北大はついに大将の小寺(3年 福島県・会津高)選手、北海道大は副将の石田舜(4年 千葉県・千葉高)選手がが登場する大詰めです。
体格で勝る石田舜選手が両手で襟を持ち、引きずり落とし亀の体勢にさせ、横三角を狙いつつ隙を作り、腹の下から左手を差し込み上着の裾を握り締め、二度SRTを試みます。何とか堪える小寺選手ですが、徐々に拘束を強めた石田舜選手が、四度目のトライで完璧に縦四方固めに抑え込み、一本勝ち。
第59回以来12年ぶり8回目の優勝に華を添えました。
前々の予想通りの決勝戦の対戦でした。
大駒を擁す東北大とどこからでも得点できる北海道大というチームカラーの異なる戦いでした。
一般に抜き勝負は、大駒のいるチームが有利ですが、今大会においては新型コロナ明けということもあり、大型選手は稽古量の懸念がありました。また、準決勝で大活躍した東北大 二階堂選手もスタミナ切れ。どこからでも得点可能な北海道大が、これを上回りました。
初戦の名古屋大戦では詰めの甘さも見せ、3敗を喫しましたが、準決勝の九州大戦では1点先制されたものの4勝を挙げ逆転。
決勝も同様に先制を許しましたが、複数抜かれることを防ぎ、総合力で上回りました。
七帝の団体戦らしい戦いぶり。
One For All,All For Oneの戦いぶりでした。
女子団体戦
女子は北海道大、東京大、京都大、九州大がエントリー。
九州大の猪川そよ選手は、桐蔭学園出身で、県チャンピオンになり、団体戦では金鷲旗で3位入賞した実力者です。
女子も団体戦で行われ、4校でのリーグ戦で争われます。
一人で参加の九州大学は勝負には勝てませんが、存在感を示して欲しいものです。
→点取り試合から抜き試合に変更
女子団体戦予選リーグ
九州大 △対〇(1人残し) 京都大
北海道大 〇対△(2人残し) 東京大
京都大 △対〇(2人残し) 北海道大
九州大 〇対△(1人残し) 東京大
京都大 〇対△(2人残し) 東京大
九州大 △対〇(2人残し) 北海道大
予選リーグ順位
1位 北海道大
2位 京都大
3位 九州大
4位 東京大
決勝
北海道大 〇対△(1人残し)△ 京都大
先鋒 松倉〇(不 戦)△ーー 先鋒
先鋒 松倉△(4:01 送襟絞め)〇中吉 中堅
中堅 後藤 (6:00 引き分け) 中吉 中堅
大将 若月〇(0:08 内 股)△オウ 大将
女子決勝戦
女子の決勝は北海道大と京都大。
予選リーグでは北海道大が2人残しで勝利。
京都大は2名でのエントリーなので、かなり不利です。
オーダーは予選と全く同様。
先鋒戦は京都大が不在のため、北海道大は神奈川県出身の松倉(3年 神奈川県・横浜翠嵐高)選手と京都大は鎌倉柔道協会で活躍する東北大元主将の後輩千葉高の中吉(4年 千葉県・千葉高)選手の対戦。
北海道大としては中吉選手を早めに止めたいところ。対する京都大は中吉選手が全員を抜き去ることが勝利の条件というハードルの高い条件。
松倉選手は敗れるにしても、時間を長く掛け中吉選手のスタミナを削りたいところ。松倉選手粘りますが、中吉選手が後ろに付き、下半身をしっかりと極めてから絞めを狙い、松倉選手は参ったせず落ちるまで我慢します。
続いて中堅主将の後藤(4年 埼玉県・大宮高)選手が登場。予選では一本勝ちしていますが、チームの勝ちを優先し無理をしない展開です。危ない場面もありましたが、専守防衛に徹し引き分け。
大将同士の決戦は、京都大が経験の浅い海外からの留学生オウ(1年 中国・新華職業大)選手。対する北海道大は3年生の若月(3年 新潟県・新潟高)選手。若月選手組むや否や電光石火の左内股に飛び込み、豪快に投げ切り一本勝ち。
七帝と言えば寝技ですが、立ち技も切れるところを見せつけました。
北海道大は第62回大会から第64回大会まで3連覇して以来の7年ぶり8回目の優勝です。
主将の後藤選手は、小さい体ながら切れのある動きと、七帝らしい立ち技から寝技の連動で一本勝ちを量産しました。
特に巴投げから十字固めの連動は芸術的です。
九州大の強豪、2階級上の猪川そよ選手から奪った一本勝ちは大会ベスト一本と言って過言ではありません。
後藤選手は、上記の記事にもあるように、高校時代も恵まれた柔道環境で活動出来ていません。
大学進学後も稽古を続け、あのような七帝を代表するような試合展開をする、素晴らしい七帝戦士になっています。
稽古量が全てを決めるという七帝柔道を、文字通り実践したのだな~と感じた次第です。
4年生となり、2年間の大会中止を受け、主将として迎えた最後の七帝戦。
さぞ、感無量だったと思います。
個人的な今大会MVPですね。
男女アベック優勝は、第52回大会の東北大、第60回大会、第61回大会の名古屋大、第68回大会の大阪大に続いて5校目の快挙です。
北大が優勝したら、これですよ!
いつの間にやら、私も歌えるかも(笑)
2日目 第1試合場
2日目 第2試合場(決勝戦はこちら)
大会日程
7月1日
組み合わせ抽選
7月2日
9時00分 開会式
9時30分 試合開始
7月3日
9時15分 試合開始
3年ぶりに開催される全国七大学柔道優勝大会。
出場できなかった選手の思いが、いつもより濃縮された大会です。
その甲斐あってか、人数不足のチームがある中、抜き勝負というレギュレーションも相まって好勝負が展開されました。
特にOB、OG、関係者の思いを汲んだ戦いで、見る者を感動させたと思います。
それぞれのチームにそれぞれのドラマがあったと思います。
そして、OB、OGは何年経過しても、まるで自分が今戦っているように感情移入させ応援し、涙を流していたようです。
七帝戦に限らず、OB、OG、関係者の熱い思いはあると思いますが、それが色濃いのが七帝柔道だと思います。
そんな熱いOBから、歓喜のお酒で酔っ払ってお電話をいただきました。(その前にも七帝関係者には電話しまくっていたようですが、部外者に掛けた第1号だったとか)
私は七帝柔道と全く関係のない者ですが、鎌倉で七帝の方々から色々と刺激を受けています。
そんな私を、七帝の仲間として認めてくれたような電話。
嬉しかったですね。
こんな仲間と柔道出来て幸せです。
偶然にも同じような話がアップされていました。
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