ようやく見に行くことが出来ました。
2019年の東京世界柔道選手権大会で実際に起こった出来事をベースに出来た映画です。
私も初めて世界選手権を見に行ったのが、この大会の初日。
そして、4日目に起きた出来事が、ejudoやIJFで報じられ、知りました。
男子81キロ級のMOLLAEI,Saeid(IRI)選手がその当時者。
イランと敵対するイスラエルの選手との対戦を避けるため、欠場を強制されたというものです。
これが当時IJFが発表したもの。
なぜ、イランがイスラエルとの対戦を阻むのかというと、イランでイスラム革命が起こり、イスラム体制が取られるようになったのがきっかけだそうです。
それ以前は、イスラエルとも友好的な関係だったようですが、これをきっかけにイスラム教の聖地エルサレムを奪った敵がイスラエルという認識を持ち、国として認めないようになったそうです。
詳細はこちらで
イランは国としてイスラエルと関係することを全て断つようになり、それはスポーツの世界でも起きていました。
それがあからさまに表面に現れたのが、2019年の世界選手権でした。
もう一人の主人公MUKI,Sagi(ISR)選手。MOLLAEI,Saeid(IRI)選手は2018年の世界チャンピオンですが、MUKI,Sagi(ISR)選手は2019年の世界チャンピオン。問題となった東京の世界選手権の優勝者です。つまり、問題の東京の世界選手権で両者の対戦は濃厚だったのが、戦前の状況でした。
よりによってイランとイスラエルという国の代表。しかし、選手同士に国が敵対しているような感情はなかったようです。
MOLLAEI,Saeid(IRI)選手は順調に勝ち上がり、準決勝に進出しましたが、準決勝で敗退。
その後3位決定戦も敗れ、5位に終わりました。
その結果、第1シードでプールAにいたMOLLAEI,Saeid(IRI)選手と第3シードでプールDにいたMUKI,Sagi(ISR)選手との対戦はありませんでした。
欠場することなく、両者の対戦はありませんでした。
これを契機にMOLLAEI,Saeid(IRI)選手は亡命し、IJFがサポート。
東京オリンピックはモンゴルの選手として出場し、永瀬選手と決勝を争ったのは記憶の新しいところ。
そして、男女混合団体戦で、MOLLAEI,Saeid(IRI)選手が一階級上のIGOLNIKOV,Mikhail(ROC)選手に勝った際に、誇らしげに胸のモンゴルのマークを指さしたシーンは、胸が熱くなるしかありませんでした。
ちなみに団体戦でMUKI,Sagi(ISR)選手もIGOLNIKOV,Mikhail(ROC)選手と対戦し、勝利しています。
その後、モンゴルからアゼルバイジャンに国籍を変更したMOLLAEI,Saeid(AZE)選手は、MUKI,Sagi(ISR)選手との友情を深め、ついに2022年のグランドラムハンガリーの3回戦で対戦が実現しました。
この時はMOLLAEI,Saeid(AZE)選手が勝ったのですが、勝敗はどうでも良かったのかも知れません。
ゴールデンスコアに入り、MUKI,Sagi(ISR)選手の左背負いの掛け潰れを見逃さず、捲って崩れ袈裟固めに抑え込みます。抑え込みのコールから一本までの時間(当時はGSでも一本まで行っていました)、両者の頭の中にはきっと色々な思いが浮かんだことと思います。
試合が決し、先に立ち上がったMOLLAEI,Saeid(AZE)選手はMUKI,Sagi(ISR)選手を引き起こし、その場でハグ。そしてキス。背景を知っている観客からもひときわ大きな拍手がありました。
礼のあとも長くハグし、言葉を交わす2人。
何とも言えない素晴らしい瞬間でした。
これぞ、IJFが常に言う、JUDO FAMILYの目指す姿だと思います。
MOLLAEI,Saeid(MGL)選手MUKI,Sagi(ISR)選手の友情
そんな事実は小説よりも奇なりを地でいっている話がベースとなった「TATAMI」。
気になって仕方ありませんでした。
監督もイスラエルのガイ・ナッティヴとイランのザーラ・アミールの2人がタッグを組んでおり、この辺りも注目です。
イランは映画監督にも様々な制約があるようで、この監督も亡命しているそうです。
(ザーラ・アミールは映画にも出演しています)
映画は前編白黒で撮影されており、視覚的にはそれだけで重い雰囲気を感じるかもしれません
試合の解説は実際にJUDOTVで解説しているNiel,Adams(GBR)さんがやっています。
Niel,Adams(GBR)さんは、モスクワ、ロサンゼルスと2大会2階級で銀メダルを獲得し、1981年のマーストリヒトの世界選手権の決勝で、日本の加瀬次郎選手を十字固めで破り、イギリスの男子柔道家として初の世界チャンピオンに輝きました。
その華麗なる十字固めは美しく、強力で、アダムス式十字固めと言われていました。
そんな名物解説者の解説があり、本物に忠実に出来ていましたよ。
話している内容は、脚色された部分もありましたが。
内容はネタバレになるので割愛しますが、色々と考えさせられる映画でした。
ぜひ、映画館で見ることをお勧めします。
映画を見た後、私はパリの世界ベテランズに行く気満々になりました。
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