パリオリンピックが終了し、今度はパラリンピックです。

柔道は、視覚障害者柔道となり、今大会より全盲(J1)と弱視(J2)の2部門で開催されます。

日本からは男子2名、女子4名がエントリーです。

男子 J1 73キロ級 加藤裕司(伊藤忠丸紅鉄鋼)、J2 73キロ級 瀬戸勇次郎(九星飲料工業)
女子 J1 48キロ級 半谷静香(トヨタループス)、J2 57キロ級 廣瀬順子(SMBC日興証券)、J1 70キロ級 土屋美奈子(シンプレクス・ ホールディングス)、J2 70キロ級 小川和紗(伊藤忠丸紅鉄鋼)

9月5日 J1、J2 60キロ級、J1、J2 48キロ級、J1 57キロ級
9月6日 J1、J2 73キロ級、J2 57キロ級、J1、J2 70キロ級
9月7日 J1、J2 90キロ級、J1、J2 90キロ超級、J1、J2 70キロ超級

視覚障害者柔道は、通常の柔道と違い、組み合ったところから始まります。
組手争いはありませんので、組んだところからの技の攻防が見どころです。
それ以外は基本的に通常のルールと変わらず、4分間の本戦に、ゴールデンスコアもあります。
敗者復活戦、3位決定戦も通常と変わりありません。
主審は、発声と体にタッチして合図をするのが、違うところです。
選手の入場も主審に伴われて入場するもの違う点です。






初日マット1


マット2


ファイナルラウンド


J1 48キロ級 半谷静香(トヨタループス)
準々決勝
LEDESMA DURE,Rocio(ARG)△(GS6:18 優勢勝ち)半谷静香(トヨタループス)
決まり技:縦四方固


準決勝
TASIN CAVDAR,Ecem(TUR)△(GS4:58 優勢勝ち)〇半谷静香(トヨタループス)
決まり技:左一本背負い


決勝
半谷静香(トヨタループス)△(2:57 大外刈り)〇NIKOLAYCHYK,Nataliya(UKR)

優 勝 NIKOLAYCHYK,Nataliya(UKR)
準優勝 半谷静香(トヨタループス)
第三位 SILVA de ANDRADE,Rosicleide(BRA)
第三位 TASIN CAVDAR,Ecem(TUR)
第五位 LEDESMA DURE,Rocio(ARG)
第五位 MASOUROU,Emmanouela(GRE)
第七位 MUELLER,Tabea(GER)
第七位 TOGTOKHBAYAR,Suvd-Erdene(MGL)

初戦はゴールデンスコアに縺れるも、寝技で攻め、抑え込んで技あり。全盲の選手が寝技で取るのは、相当高いハードルがあると思いますが、見事なムーブだったと思います。
準決勝は、相手に背負い、巴と先に攻め込まれ、技出しも遅く、指導2を失いますが、ゴールデンスコアで逆転の左一本背負いがタイミングよく決まり技あり。辛抱してワンチャンスを生かした勝利でした。
決勝は相手が一枚上手でした。左一本背負いで技ありを失ったあと、最後はタイミングの良い大外刈りで一本負け。これは相手が上手かったので仕方ありません。
素晴らしい戦いで、悲願の銀メダル獲得です。



J2 57キロ級 廣瀬順子(SMBC日興証券)
準々決勝
廣瀬順子(SMBC日興証券)〇(1:31 大内刈り)△GONZALEZ,Laura Candela(ARG)
ケンカ四つの両者は腰を切りながら攻め合う。廣瀬選手の体落としは惜しくも決まらず。中盤に入り、再開後下がる相手を左大内刈りで捉え、そのまま追い込んで一本。



準決勝
廣瀬順子(SMBC日興証券)〇(1:32 大内刈り)△FEDOSSOVA,Dayana(KAZ)
ケンカ四つで背の高い相手に対し、タイミングよく体落としに入るも耐えられ、潰れたところを十字固めに捕えられ、完全に腕を伸ばされあわやの場面に陥るが、何とか脱出し、続く三角も防ぐ。相手の大内刈りを潰し、腰絞めに捕えるも待て。相手が下がりながら隅返しを狙っているその瞬間に左大内刈りに飛び込み一本。危ない場面があったが決勝進出。



決勝
KHODJAEVA,Kumushkhon(UZB)△(2:24 体落とし)〇廣瀬順子(SMBC日興証券)



優 勝 廣瀬順子(SMBC日興証券)
準優勝 KHODJAEVA,Kumushkhon(UZB)
第三位 FEDOSSOVA,Dayana(KAZ)
第三位 ARCE PAYNO,Marta(ESP)
第五位 YESILYURT,Dondu(TUR)
第五位 da SILVA TEIXEIRA ARAUJO,Lucia(BRA)
第七位 WANG,Jianan(CHN)
第七位 GONZALEZ,Laura Candela(ARG)


J1 70キロ級 土屋美奈子(シンプレクス・ ホールディングス)
1回戦
土屋美奈子(シンプレクス・ ホールディングス)△(1:42 崩上四方固)〇BOGGIANO ALEGRE,Nadia(ARG)
互いに足を飛ばし牽制する中、土屋選手が潰れ、相手はすぐに横三角へ。そのまま抑え込み一本勝ち。



優 勝 LIU,Li(CHN)
準優勝 SOUZA de FREITAS,Brenda(BRA)
第三位 PASCHALIDOU,Theodora(GRE)
第三位 PERNHEIM GOODRICH,Nicolina(SWE)
第五位 LKHAIJAV,Turuunaa(MGL)
第五位 USLU HAJABIPOUR,Merve(TUR)
第七位 BOGGIANO ALEGRE,Nadia(ARG)
第七位 LAURIA,Matilde(ITA)

J2 70キロ級 小川和紗(伊藤忠丸紅鉄鋼)
準々決勝
小川和紗(伊藤忠丸紅鉄鋼)〇(0:26 払巻込み)△MEREKE,Ayala(KAZ)
身長の高い相手とがっぷり組み合い、斜めにズレた相手が回り込むタイミングで、肘窩に釣り手を当てながら払い腰。そのまま最後は巻き込んで豪快な一本勝ち。



準決勝
MARTINS MALDONADO,Alana(BRA)〇(3:33 大外刈り)△小川和紗(伊藤忠丸紅鉄鋼)
両者左の相四つ。相手は頭一つ大きいものの、組み合ってから始まるパラ柔道ではそこまで不利にならない。上手く間合いを取り、足を飛ばし体落としを狙う。相手は内股を狙う。終盤、足が出なうなったタイミングで、狙いすました左大外刈りが決まり、一本。3位決定戦へ。



3位決定戦
VICTORIO,Kelly(BRA)△(3:53 合わせ技)〇小川和紗(伊藤忠丸紅鉄鋼)
決まり技:右一本背負い、隅落とし
ケンカ四つ。相手は小川選手よりも頭一つ大きい。お互いに足を飛ばし、牽制し合う。相手が右背負い投げで飛び込み、強引に投げ切ろうとするも耐える。再開後、同じような展開から相手の右背負投げで終わり、小川選手に消極的指導。小柄な小川選手が上から組み、圧を掛け続けると、耐えきれなくなり右背負投げで座り込み、相手に指導。小川選手が、左大内刈り、股中体落としで追い込み待て。上から組んでいた相手が、釣り手を放し、下から持ち直そうとしたタイミングで右一本背負いに入り技あり。抜群のタイミング。
お互いに足を飛ばし、小川選手は股中体落とし、相手は右背負投げに入るも浅く座り込んだため、指導。最後は相手の右内股を潰しながら隅落としで捲り、技あり。見事に銅メダル獲得。



優 勝 MARTINS MALDONADO,Alana(BRA)
準優勝 WANG,Yue(CHN)
第三位 小川和紗(伊藤忠丸紅鉄鋼)
第三位 KALDANI,Ina(GEO)
第五位 VICTORIO,Kelly(BRA)
第五位 MEREKE,Ayala(KAZ)




J1 73キロ級 加藤裕司(伊藤忠丸紅鉄鋼)
1回戦
RODRIGUES,Armindo(FRA)〇(0:47 抱分)△加藤裕司(伊藤忠丸紅鉄鋼)
相手が前に出たタイミングでの内股は惜しくも決まらず。膝車で足を崩れたところを抱分で放られ、主審は技あり。映像チェックの後、一本に訂正。一般の方には分かり難い決着のため、ミスジャッジの声が大きかったが、ルール通りの裁定です。




優 勝 BOLOGA,Florin-Alexandru(ROU)
準優勝 SHAMEY,Yergali(KAZ)
第三位 SASS,Lennart(GER)
第三位 IAFA,Djibrilo(POR)
第五位 MAMEDOV,Shokhrukh(UZB)
第五位 PEREIRA ARRUDA Harlley,Damiao(BRA)
第七位 CAMANNI,Dongdong(ITA)
第七位 RODRIGUES,Armindo(FRA)


J2 73キロ級 瀬戸勇次郎(九星飲料工業)
準々決勝
瀬戸勇次郎(九星飲料工業)〇(0:19 背負投げ)△CHANG,Shao-Hao(TPE)
組みながら組手をずらし、得意の背負投げに飛び込み、一旦位置を調整し、投げ切り一本。



準決勝
瀬戸勇次郎(九星飲料工業)〇(1:59 背負投げ)△BAREIKIS,Osvaldas(LTU)
瀬戸選手背負投げで攻めるも相手も心得て防ぐ。相手は隅返しで反撃するも、しっかりと対応する。相手の左内股を隅落としに切り返し技ありを先制。次いで挽回せんと前に出る相手に右背負投げに入り、一旦戻り付いてきたところで入り直し、そのまま押し込んで一本。



決勝
瀬戸勇次郎(九星飲料工業)〇(0:45 合わせ技)△KALDANI,Giorgi(GEO)
決まり技:内股透かし、出足払い
左右のケンカ四つ。開始早々に左後ろに引き出しながら右背負い投げに入ると、相手は左内股で対抗。この左内股を透かして技あり。
相手は挽回せんと足技や密着戦を志向するも、瀬戸選手はしっかりと対応。続いては、相手のタイミングのよい左小内刈りで尻もちをつくも、右肘を着いた状態で堪えたためノーポイント。タイミング的には一本になりえる際どい物。再開後、圧を強めようと前に出てきたタイミングを捉え、出足払いで技あり。合わせ技で一本勝ち。見事に2大会連続のメダル、そして悲願の金メダル獲得。



瀬戸選手は福岡教育大柔道部出身。同大学の柔道部の監督は、シドニー、アトランタと2大会連続で女子柔道52キロ級で出場し、銅、銀のメダルを獲得した楢崎教子さん。
楢崎監督は、私の高校の後輩です。その教え子が師と同じように2大会連続でパラリンピックに出場し、同じように2大会連続でメダルを獲得し、師を超える金メダルまで獲得したのは、まったく瀬戸選手とは関係がないものの、自分のことのように嬉しいです。
そして、オリンピック柔道男子81キロ級では、永瀬選手が史上初の連覇を達成しましたが、永瀬選手の高校時代の監督も私の高校の後輩。
こちらも何にも自分とは関係ありませんが、後輩が指導者となり、その教え子が世界一になる。しかも、同じタイミングで。すごい後輩を持ったもんです。
その貴重な瞬間を目撃出来たことに感謝です。
本当におめでとうございます。

優 勝 瀬戸勇次郎(九星飲料工業)
準優勝 KALDANI,Giorgi(GEO)
第三位 KURANBAEV,Uchkun(UZB)
第三位 BAREIKIS,Osvaldas(LTU)
第五位 KIM,Donghoon(KOR)
第五位 PETIT,Nathan(FRA)
第七位 CHANG,Shao-Hao(TPE)
第七位 VARGOCZKI,Daniel(ROU)


2日目 マット1


マット2


ファイナルラウンド



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