2015年アスタナ世界柔道選手権の女子78キロ超級で準優勝し、同じ年の皇后盃全日本女子柔道選手権優勝など国内外で活躍し、リオデジャネイロオリンピック70キロ級金メダリストとなった妹の田知本遥さんと長く日本を代表する柔道家として知られる田知本愛選手が、12月18日現役を引退すると所属先のALSOKより発表がありました。


田知本選手は、富山県出身で小杉中学、小杉高校、東海大学と進み、高校時代には全日本女子柔道選手権に出場するなど、将来を期待された選手でした。
2012年のロンドンオリンピックの代表候補として世界ランク1位で迎えるも、全日本女子柔道選手権、全日本選抜体重別と続けて山部選手に破れ、代表を逃してしまいました。

2016年のリオデジャネイロオリンピックの代表選考でも、国際大会で順当に結果を残し、代表争いではトップに立っていましたが、全日本女子柔道選手権の決勝で膝を痛め(前十字靭帯および外側靭帯損傷 全治2ヶ月)、最後は一本負けとなり、代表選考からは漏れました。
この選考においては、当時かなり論議を呼んだ選考となりました。

2大会連続での出場となった2016年リオデジャネイロオリンピックで、前述の通り妹の田知本遥選手が金メダルを獲得しましたが、その戦いぶりは神がかっていたように感じる程でした。
その裏には、2大会連続で出場が叶わなかった姉の愛選手の分まで戦おうという気持ちがあったことを想像するに難くありません。
表彰式後、一人だけ観客席から試合フロアに進める権利を与えられますが、愛選手が遥選手から指名され、二人で金メダル獲得の喜びを分かち合ったシーンを覚えている人も多いと思います。

膝の怪我から立ち直り競技を継続しますが、今年の全日本女子柔道選手権で再び痛め棄権。
8月の実業団柔道選手権個人戦の準々決勝で山部選手に破れ、この試合が現役最後になりました。


長い間競技のトップ選手として活躍し、お疲れ様でした。
日本を代表する姉妹柔道家のお二人でした。