世界ジュニア柔道選手権の3日目は、男子81キロ級、90キロ級、女子63キロ級、70キロ級が開催されます。



男子81キロ級
日本の代表は、友清光選手(国士舘大学1年)。
友清選手はプールAに配置され、1回戦で  BOBONOV, Davlat 選手(UZB) と対戦です。

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81キロ級は、パンアメリカジュニアチャンピオンのTiago PINHO選手 (BRA プールB)、グラスゴーヨーロピアンオープン銅メダリストのStuart MCWATT 選手(GBR プールD)、アジアジュニアチャンピオンのRakhmatullobek FARKHODOV 選手(TJK プールC)、ヨーロッパジュニアチャンピオンのTim GRAMKOW (GER プールC)などが有望です。
初戦を突破できれば、友清選手の上位進出が期待できます。

1回戦
相手は、BOBONOV, Davlat 選手(UZB)
お互いに右の相四つ。
開始早々、BOBONOV, Davlat 選手が袖釣り込みに入り、大きく崩しますがノーポイント。
再開後、同様に袖釣り込みに入るとこれまた大きく崩れ、主審は技ありを宣告。
(しかし、1回目の方が大きく崩れていたように見えた)
友清選手は挽回しようとしますが、組手争いや寝技で攻められ、やや手詰まりの状態。
残り時間が1分を切ろうとした時、片襟から小内刈りに入り、相手の体が伸びた瞬間に内股に思い切り入れば、綺麗に決まって逆転の一本勝ち。
強豪BOBONOV, Davlat 選手を下し、2回戦進出です。


2回戦
相手は ヨーロッパジュニア3位のPARLATI, Christian選手 (ITA)。
この選手も大柄です。
お互い右の相四つ。
組手の上手さは友清選手に一日の長がありますが、PARLATI, Christian選手は膝を着きながらの大内刈りを見せるなど、変則的な柔道を見せます。
PARLATI, Christian選手は掛け逃げの指導を貰った後、一気に距離を詰め、密着戦で小外刈りを繰り出し技ありを先制。
友清選手は指導2まで追い詰めましたがタイムアップ。
2回戦敗退となりました。

最終順位

1. CASSE, Matthias (BEL)
2. TEPKAEV, Turpal (RUS)
3. GRAMKOW, Tim (GER)
3. PARLATI, Christian (ITA)
5. SHEROV, Erlan (KGZ)
5. MCWATT, Stuart (GBR)
7. CHERKAI, Aleksandr (UKR)
7. D ARCO, Salvatore (ITA)




男子90キロ級
日本の代表は、 田嶋剛希選手(筑波大学2年)と長井晃志選手(日本体育大学1年)。
田嶋選手はプールAに配置され、2回戦で AMINOV, Murtazo 選手(TJK) MIKAVICA, Nikola選手 (BIH)の勝者と対戦です。
長井選手はプールDに配置され、1回戦で BATSAIKHAN, Tengis選手 (MGL)と対戦です。

長崎日大高校のニコー・グディエレッツ選手はアメリカ代表として今大会に出場し、プールDに配置されています。1回戦で SCHMIDT, Tim選手 (GER)と対戦し、勝ち上がると3回戦で長井選手と対戦する可能性があります。

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90キロ級は、ヨーロッパジュニアチャンピオンのDIESSE, Aurelien選手 (FRA プールD)、ヨーロッパジュニア銀メダリストのMATLASHEVSKYI, Mykyta選手 (UKR プールA)、アジア大会銅メダリストのMukhammadkarim KHURRAMOV選手 (UZB プールA)、アフリカチャンピオンのOussama Mahmoud SNOUSSI選手 (TUN プールA)アジアジュニアチャンピオンの長井選手などが有望です。


1回戦
長井選手の相手は、BATSAIKHAN, Tengis選手 (MGL)。
変則的な組み方をするものの、基本的に左組みのBATSAIKHAN, Tengis選手。
体も大きく、長井選手と同じ階級には見えません。
開始から長井選手が組手を支配し、背負い投げで攻めますが、相手は返しを狙っています。
長井選手がタイミングよく高い背負いで背中に乗せ、ゆっくりと回転し技ありを先制。
組手争いを続けながら、時間を上手く使っていきますが、やや強引な体落としを受けてしまい、技ありを取り返されます。
勢いづいたBATSAIKHAN, Tengis選手は、肩車で逆転を狙いますが、上手く返され自滅。
技ありを奪われ、そのまま崩れ袈裟固めに抑えられ一本。
長井選手、何とか一回戦突破です。


ニコー選手の相手は、SCHMIDT, Tim選手 (GER)。
お互い左の相四つ。ニコー選手より頭ひとつ大きい。
組手争いをしている際に、ニコー選手のみ指導。
前に出てプレッシャーを掛けると、上手く袖釣り込みで合わされ、大きく飛び技ありを奪われます。
一本と言われても仕方ない位の決まり方でした。
その後取り返そうと頑張りますが、組手が思うように行かず、後手を踏みます。
巴投げで技ありを追加され、残り時間1分頃から組手の手順を飛ばして強引に組みに行き、チャンスは何回かありましたが、上手く逃げられタイムアップ。
残念ながら1回戦敗退となりました。


2回戦
長井選手の相手は、OZIMEK, Jakub選手 (POL)。
これまた長井選手より遥かに大きいOZIMEK, Jakub選手は左のケンカ四つ。
長井選手が上手く釣り手を使い、距離を取りながら背負い、足技で牽制する。
OZIMEK, Jakub選手は、密着しての勝負をしたい感満載。
背負いの出入りの中に足を使い、相手が反応しきれなかったタイミングで背負い投げ技あり。
寝技の攻防と成り、防御が甘いのを見逃さず抑え込んで一本勝ち。


田嶋選手の相手は、MIKAVICA, Nikola選手 (BIH)。
田嶋選手右、MIKAVICA, Nikola選手左のケンカ四つ。
引き手争いが続き、田嶋選手に指導。
気を取り直し、右内股で大きく浮かせ、直後に袖釣り込み気味の腰車で豪快に投げ一本勝ち。


3回戦
長井選手の相手は、 KENDRICK, Benjamin選手 (CAN)。
長井選手右、KENDRICK, Benjamin選手左のケンカ四つ。
KENDRICK, Benjamin選手は、ニコー選手に勝ったSCHMIDT, Tim選手 (GER)を綺麗に背負い投げで投げている業師です。
組手に注意しつつ長井選手がプレッシャーを掛けますが手数が少なく指導。
ここからさらにプレッシャーを掛け、不用意に場外に出た相手に指導。
その後も、足車、足技を中心に攻め、相手に指導。
後がなくなりましたが、打つ手がなく最後も指導で反則勝ちです。



田嶋選手の相手は、アジア大会銅メダリストのKHURRAMOV, Mukhammadkarim選手 (UZB)。
田嶋選手よりも二周りは大きく見えます。
組手は右の相四つ。
先に指導をもらったのは田嶋選手でしたが、大きな相手に怯むことなく袖釣り込み、大腰などで攻め込みますが、それを返され危ない場面が多数。
しかし、相手は徐々にスタミナが切れ、その間に指導2まで累積しました。
本戦で決着はつかずゴールデンスコアに入り、一進一退の攻防が続きますが、延長2分半過ぎに前に出てきた相手に合わせて低い一本背負いで投げきり、一本勝ちです。


準々決勝
長井選手の相手は、ヨーロッパジュニアチャンピオンのDIESSE, Aurelien選手 (FRA)。
長井選手右、DIESSE,Aurelien選手左のケンカ四つ。
激しい組手争いで、なかなか組み合えません。
長井選手に組み合わないという事で指導。
長井選手は釣り手から組んでいたのを引き手から取り始め、背負い投げで攻めるようになりリズムが出てきます。
投げるまで行きませんが、いいペースです。
試合終盤、いきなり右の大外に相手が入り、虚をつかれた長井選手が背中から落ちて一本負けです。
敗者復活戦に回ります。


田嶋選手の相手は、 TRIPPEL, Eduard選手 (GER)。
お互いに右の相四つ。
田嶋選手が袖釣り込みで攻めます。
相手は背中越しに帯を取り隅返し、組んで大腰を狙います。
中盤、袖釣り込みで投げ技ありを奪取。
その後も、上手く組手をコントロールし、足技、背負い、体落としなどで攻めます。
最後は袖釣り込みで豪快に叩きつけ一本勝ちで準決勝進出です。


準決勝
相手は、PETGRAVE,Jamal選手(GBR)。
田嶋選手右、PETGRAVE.Jamal選手左のケンカ四つ。
田嶋選手は小外、左の一本背負い、相手は隅返しで攻めます。
相手が背中を持つのに合わせて、田嶋選手が背負い投げを掛けると大きく飛びますが何とか腹這いに落ちてノーポイント。
次いで同じように背負い投げに入り、今度は投げ切り技あり。
さらに肘を抜いた背負い投げで完璧に投げて一本勝ち。
決勝進出です。


3位決定戦
長井選手の3位決定戦の相手は、田嶋選手に負けた
PETGRAVE,Jamal選手(GBR)。
長井選手としては負けられません。
長井選手右、PETGRAVE.Jamal選手左のケンカ四つ。
PETGRAVE.Jamal選手は、釣り手で背中を持ち引き付けての勝負を挑みます。
永井選手も受けて立ち、密着戦が続きます。
お互いに指導1を受け、同じような展開から肘抜きの背負いを仕掛けると、
PETGRAVE.Jamal選手は大きく宙を舞い、回り過ぎながら着地し技あり。
その後も同じような展開で、同じような背負い投げが2回決まり、技ありを2つ追加し長井選手の優勢勝ち。



決勝
相手は、FLORENTINO,Robert選手(DOM)。
田嶋選手右、
FLORENTINO,Robert選手左のケンカ四つ。
気合十分の田嶋選手、四股を踏んでから入場です。
お互いに釣り手を持ちますが、引手を取れません。
FLORENTINO,Robert選手が嫌っていると主審は判断し指導。
再開後、同じような形からFLORENTINO,Robert選手が背中を持った瞬間、田嶋選手得意の釣り手背負いが炸裂!上手く相手をコントロールし投げ切り技あり。(一本でも良い決まり方でした)
そのまま抑え込むと、膝と指を痛めたFLORENTINO,Robert選手が参った。
田嶋選手の優勝です。

当初は神鳥選手が出場予定でしたが、怪我で欠場のため代理で出場した田嶋選手が優勝と、若手の90キロ級は将来が楽しみな素材が揃っています。
大型の選手を苦にしない組み手と技は素晴らしいですね。



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TAJIMA topples Caribbean opposition for Japan's sixth Junior world title

最終順位

1. TAJIMA, Goki (JPN)
2. FLORENTINO, Robert (DOM)
3. TRIPPEL, Eduard (GER)
3. NAGAI, Koshi (JPN)
5. DIESSE, Aurelien (FRA)
5. PETGRAVE, Jamal (GBR)
7. SHEPEL, Vitalii (UKR)
7. JANDREEV, Shermukhammad (UZB)



女子63キロ級
日本の代表は、荒木穂乃佳選手(兵庫県警察)。
荒木選手はプールBに配置され、2回戦でLABUSCHAGNE, Chante選手 (RSA)と対戦です。

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63キロ級は、グランプリ大会で2回の銅メダリストとなったLubjana PIOVESANA選手 (GBR プールD)、アジアジュニアチャンピオンのHAN Hee ju選手(KOR プールC)、世界ランキング11位のAndreja LESKI選手 (SLO プールB)、ヨーロッパジュニアチャンピオンのVERMEER, Sanne (NED プールC)、ヨーロッパジュニア銀メダリストのSHARIR, Gili (ISR プールB)などが有望です。
荒木選手は勝ち上がると3回戦でAndreja LESKI選手との対戦となりそうです。


2回戦
相手は、LABUSCHAGNE, Chante選手 (RSA)。
荒木選手右、LABUSCHAGNE, Chante選手は左のケンカ四つ。
LABUSCHAGNE, Chante選手はかなり荒木選手を警戒し、なかなか組み合いません。
荒木選手が強引に捕まえ、袖釣り込みで投げると主審は1本を宣告後、技ありに訂正。
再開後、右の高い背負いで投げ技あり(一本でも良かった切れ味)、そのまま横四方固めで抑えて一本勝ち。
幸先の良いスタートです。


3回戦
相手は、Andreja LESKI選手を破った BURT, Emily選手 (CAN)。
お互いに右の相四つ。
荒木選手は袖釣り込みで攻め、ペースを掴みます。潰れた所を、三角で攻められますが、上手く対処します。
相手は大外、内股を狙いますが、しっかりと防御し危ない場面はありません。
本戦の4分間は荒木選手が押し気味に進めましたが、決め手を欠きゴールデンスコアへ。
開始早々、相手が小内を狙った瞬間バランスを崩し、そのまま合わせて浴びせ倒し技ありで決着。


準々決勝
相手は、GORISSEN,Jessica選手(NED)。
お互いに右の相四つ。
お互いに両袖を絞り双方に指導。
その後、荒木選手は袖釣り込み、相手は左右の背負いで攻めますが、決め手を欠きます。
試合後半から荒木選手が組手を変え奥襟を取ると、明らかに嫌がります。
本戦では決着付かず、ゴールデンスコアに入りますが、奥襟を狙う荒木選手を嫌がり、極端な防御姿勢で相手に指導が入り試合終了。


準決勝
相手は、EME,Clemence(FRA)。
お互いに右の相四つ。
前回の試合同様に奥襟を取って足技から攻める荒木選手。相手は背負いなどで攻めます。
相手が押し気味試合を進めますが、一瞬の隙を突き荒木選手が内股で投げ、技ありを奪います。
相手も取り替えそうと攻めますが、上手く捌きます。
相手が勝負を掛け、大外にきたのを見事に返し、技ありを取り、そのまま後ろ袈裟固めで一本勝ち。
決勝進出です。


決勝
相手は、VERMMER,Sanne選手(NED)。
荒木選手右、VERMMER.Sanne選手左のケンカ四つ。
組手争いをしながら両者足技を出します。お互いになかなかいい形になれず、時間が過ぎます。
中盤、荒木選手の背負い投げが決まり、技ありを先制。
その後、相手の猛攻を受けるも、しっかりと捌きタイムアップ。
見事に優勝です!

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ARAKI adds to Japanese gold medal haul

最終順位

1. ARAKI, Honoka (JPN)
2. VERMEER, Sanne (NED)
3. PIOVESANA, Lubjana (GBR)
3. EME, Clemence (FRA)
5. OBRADOVIC, Jovana (SRB)
5. HORLAVILLE, Yasmine (FRA)
7. GORISSEN, Jessica (NED)
7. OBRADOVIC, Anja (SRB)


女子70キロ級
日本の代表は、 青柳麗美選手(環太平洋大学2年)。
青柳選手はプールDに配置され、 1回戦で  KELLY, Louise選手 (NZL)対戦です。

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70キロ級は、世界ランキング3位でリオのオリンピックにも出場したElvismar RODRIGUEZ選手 (VEN プールA)、世界ランキング17位のAleksandra SAMARDZIC選手 (BIH プールC)、ヨーロッパジュニアチャンピオンのTAIMAZOVA, Madina選手 (RUS プールD)、ヨーロッパジュニア銀メダリストのPOLLERES, Michaela選手(AUT プールA)世界ジュニア銀メダリストの青柳選手が有望です。
青柳選手は勝ち上がると3回戦で準決勝でTAIMAZOVA, Madina選手と対戦が予想されます。


1回戦
相手はKELLY, Louise選手 (NZL)。
青柳選手左、KELLY, Louise選手右のケンカ四つ。
青柳選手が開始からしっかりと組みとめ、大外刈り一閃。
見事に決まり、一本勝ち。


2回戦
 相手はFUENTES, Nairelis選手 (CUB)。
青柳選手左、FUENTES, Nairelis選手右のケンカ四つ。
青柳選手がしっかりと組んで前進すると、FUENTES, Nairelis選手が内股から左の一本背負いを見せるが潰される。
このチャンスを逃さず、横三角から横四方固めで抑えきり一本勝ち。


3回戦
相手は ヨーロッパジュニアチャンピオンのTAIMAZOVA, Madina選手 (RUS)。
青柳選手左、TAIMAZOVA, Madina選手右のケンカ四つ。
開始から青柳選手が内股で攻め、惜しいところまでいきます。
寝技になり、横三角で帰しますが逃がしてしまします。
続いて、相手が左の一本背負いにきたのに合わせ抑え込みますが、これも逃がします。
相手はスタミナが切れてきて、動きが鈍くなり、重心が崩れたのに合わせて袈裟固めに抑えますが、これも逃がします。
最後は組み際に引き手を取ると同時に大外刈りで飛び込むと、大きく相手が飛んで一本勝ちです。


準々決勝
相手は、SANTANA, Ellen選手 (BRA)。
青柳選手左、SANTANA.Ellen選手右のケンカ四つ。
青柳選手が大内、内股、体落としなどで積極的に攻め、相手は足払い、返しを狙います。
青柳選手が優勢に試合を進めますが、相手が飛び十字を仕掛け、これが見事に極り一本。
敗者復活戦に回ります。


3位決定戦
相手は、WILLEMS,Gabriella選手(BEL)。
青柳選手左、WILLEMS.Gabriella選手右のケンカ四つ。
青柳選手が大内から内股を狙いますが、潰されて十字固めで極められ万事休す。


最終順位

1. SCOCCIMARRO, Giovanna (GER)
2. SAMARDZIC, Aleksandra (BIH)
3. POLLERES, Michaela (AUT)
3. WILLEMS, Gabriella (BEL)
5. SANTANA, Ellen (BRA)
5. AOYAGI, Remi (JPN)
7. JAGER, Hilde (NED)
7. KUKA, Loriana (KOS)