今年の高校3年生は、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の影響で、多くの主要な大会が中止となってしまいました。

仕方のないことだけど、当事者にとってはとても辛く、悔しいと思います。

自分自身の高校時代を振り返ってみると、全国高校柔道選手権は団体戦のみだったので、個人戦での目標はインターハイと国体の2つだけでした。
それ以外には無差別級の個人戦となる関東予選がありましたが、これはそこまで思い入れはありませんでした。

国体は本戦が団体戦ということもあり、インターハイ一本に絞って稽古を積んでいました。
結果は2週間前に8秒で一本勝ちした選手にリベンジを許し、ベスト8で終了。
国体予選もベスト4止まり。
ラッキーにも全日本ジュニアには出場できましたが、おまけのような印象でした。
それだけインターハイに懸ける思いが強かったということです。
試合に負けた日から、腑抜けのような状態で、稽古にも身が入らなかった記憶があります。

大学からの誘いもありましたが、神奈川県を取れない選手が大学で大成するわけないと思い込み、丁重にお断りしてしまったのです。
それだけ、インターハイに懸けていたんですね。
それまでは、大学でも柔道を続ける気満々でしたから、そのショックが如何に大きかったか(笑)


これは、試合をして負けたからの感覚ですが、今年の3年生はこの戦うことすら許されませんでした。

本当に悔しいと思います。
目標を見失い、何をしていいのか分からなくなるかもしれません。
柔道を続ける気力も失せるかもしれません。

私も試合で負け、今年の3年生とは少し違いますが、一線からは身を引き、趣味の延長で柔道を続けていましたが、専門学校時代に運よく国体の代表選手に選ばれました。
そして、その数年後28歳ころから全く柔道衣に袖を通さなくなりました。

そこから再び袖を通したのは、17年後。
45歳になっていました。

柔道を大学で続けなかったことを、まったく後悔していないかと言えば嘘になります。
続けていたらどうなっていたんだろうと考えることもあります。

インターハイは大きな目標でしたが、それはゴールではありません。
そのことに気づいたのは、柔道を再開した時なのかもしれません。

大会が無くなり、自暴自棄に陥りそうになっていると思いますが、これまで積み上げてきたことは嘘をつきません。
そして、この先にその成果が表れる瞬間が必ず来ます。

本来であれば、今年ひとつの成果を残せる予定でしたが、それが少し先に延びただけの話です。
(そうは言ってもなかなか理解できないと思いますが)
どうか、これで柔道を止めないで、どんな形でも続けて欲しいと思います。
力必達です。


最後に、私の高校時代の恩師から言われた言葉です。
「アマチュアに引退はない」

もちろん一線から退くことはあっても、柔道そのものを止める訳ではないので、引退というのはおかしいじゃないかということです。
今、考えると良く分かります。
生涯柔道にぜひチャレンジして欲しいと思います。
こんな経験をしたことが、生きる機会が必ずあるはずです。
これは、この経験をした方にしかできないことです。

この経験を生かして欲しいと思います。


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高校選手権の関東大会の入場行進 前から4人目が私です。